Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

「御尤もです、和尚の力量こそ測るべからざるものです、大和尚なればこそ、あれがああしてかついで歩けるんでございますな」

「ほんとうです、あの大和尚さまの力はわかりません」

「どうです、あの卒塔婆に書いてある文句がわかりますか」

「わかりませんね」

「字が読めますか」

霞を隔てたように透して見て、

「読めません――変てこな字ですねえ、あんな字は日本の国にはないでしょう」

「悉曇の文字というのが、多分あれなんだろうと思います」

「こちらの方の頭には漢字で弥帝※(「口+利」、第3水準1-15-4)夜と書いてあるようですが、あれは何と読みますか」

「あれはみちりやと読みます」

「どういう訳ですか」

「さあ――それはわかりませんねえ」

「ひとつ、大和尚に伺ってみましょうか」

「およしなさい、芸もないから」

そんなことをいって、慢心和尚の通る沿道の人が、それを評判しないのはありません。それはこの甲斐の国で、おそらく慢心和尚を知らない人はないのでしょう。それは名刹恵林寺の大和尚として、学徳並びなしという意味において知っているのではなく、そのブン廻しで描いたような真円い顔と、夜具の袖口を二つ合わせたような大きな口と、釣鐘をかけ外しをして平気で持って歩くという力量と、愚の如く、賢の如く、凡の如く、聖の如く、そこらを押歩く行動と、その形相に似気なく