Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「いいえ、村田ではない、村田は浄瑠璃はお天狗だが、尺八の方は、あれまではやれまい」
「では市川君」
「市川は、喜多流の仕舞を自慢にしてはいるが、尺八を吹くといったことを聞かない」
「中口ではありませんか」
「中口は、腰折れの悪口こそは言うが、尺八などはわからない男だ」
「そのほかに、われわれの同勢では、あれだけに尺八を吹ける男はありませんね」
「そうさ、もし、ここに君がいなければ、あれは北原だ、と誰も信じて疑わないところだが、あいにく、その当人がここにいてみればなあ」
「今まで、時々、尺八の音が聞えたようでしたが、われわれ仲間の誰かのすさびと思うて、さまで気にも留めませんでしたが、今日という今日は問題です、あの尺八の主が疑問ですよ」
「くろうとの君が聞いて、問題になるほどの腕がありますか」
「くろうとは恐れ入りましたが、今のはかけ出しのわれわれを動かすだけの味は十分です。だが、あれとても決して、くろうとの吹き方ではありませんでしたね。といって、全くのしろうとではありません」
「どうだい、君、ひとつ、ここで合わせてみたらどうだ、ちょうど、そこに一管がある、君の堪能でひとつ、返しを吹いて見給え」