Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも相済みません、子供の時分から、柿の木から落っこちると中気になる、なんぞとオドかされていたものですから、柿の木の方にあんまりちかよらなかったせいでござんしょう。ですが旦那、その凧に乗ったてえ奴は、作り話じゃございませんかね」

「いいや、まるっきり作り話とは思えないよ、事実、三州からこっちの方へかけては、大きな凧が流行っているし、岡山の幸吉ゆずりの工夫者もいるという話だからなあ」

「ですけれど、凧に乗って、金の鯱を盗もうなんかと、そいつぁ、ちっと……かけねがあり過ぎやしませんかね」

「がんりき、貴様には、そんな芸当はできないか。凧に乗らないまでも何とかして、あの金の鯱に食いついてみてえというような了簡は起らないか。今いう通り見ているだけではいかに金の鯱でも腹はくちくならねえ、懐ろも温かくはなるまい」

「は、は、は、は」

がんりきが遠慮なく、高笑いをしてしまったから、五十嵐甲子男が、

「何がおかしいのだ」

「だって、先生、あれこそ、ほんとうに高根の花でござんすよ」

「貴様には、手が出せないというのか」

「エエ、あればっかりは手が届きませんねえ」

「いよいよ意気地のない奴だ、柿の木金助の爪の垢でも煎じて呑むがいい」