Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

二人は、舌を捲いている兵馬を、まともに見下ろしながら、ズブリと兵馬の左右へ飛び込んで、

「占めた、占めた、もう逃げようとて逃がすまい」

「いったい、どうしたのだ」

兵馬が呆れ返って問い返すと、仏頂寺がニヤニヤと笑いながら、

「あの日に、君を出し抜いて、我々二人は先発してな、檜峠まで来てみたのだが、はっと思い当るのは、白骨の温泉に忘れ物をして来たことだ。そこで二人が取って返すと、途中、鐙小屋の神主というのにとっつかまって、あぶなく祓い給えを食いそうなのをひっぱずして白骨へ来て見ると、忘れ物もとんと要領を得ない上に、君ももう出立してしまった後なんだ。そこで、我々も残念がって、君の行方を聞いてみると、たしかに中の湯から安房峠を越えて、飛騨の平湯をめざして行ったと猟師の奴が話すものだから、それ追っかけろと、今早朝、白骨を立って、てっきりここと押しかけて見ると、果して、君がいてくれたんだ、こんな嬉しいことはない」

兵馬にとっては、あんまり、嬉しくもなんともないことです。

彼等と手が切れたことを、勿怪の幸い、と気安く思っているのに、この有様だ。

よくよくの因果だな、この連中、やっぱり、振切ろうとしても、突っぱなそうとしても、やり過ごそうとしても、出し抜こうとしても、ついて離れない。