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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

米友を取押えにかかります。

二人の、騒ぐことによって、米友がほっと己れにかえりました。力を抜いて、ふり返った拍子に二人が後ろへころげる。

おこりが落ちたように、きょろりと四方を見返した米友。

とりのぼせてまことに済まなかったという面つきではあるが、その上に漂う悲痛の色は消すことができない。

二十五

米友をなだめた道庵は、そこを一重下ってから、外を遠くながめて、

「友様、見な、肥後の熊本が見えらあ」

ここで、道庵が突然、肥後の熊本、と言い出したのは、何のよりどころに出でたのか、意表外でした。

呼び名が意表外であるのみならず、てんで方角がなっていない。その指している方向は三河蒲郡か、或いは知多半島の方面であろうところの空際を指して、道庵は突然、「肥後の熊本が見える」と言い出したものです。

言われたままに、米友は、道庵の指した方向に、眼を向けることには向けました。

多分、道庵の計略では、こうして途方もないことを言って、一時なりとも米友の眼界を転換させれば、その正直者は、それで心機の転換もできる、という心か。それで、蒲郡とも言わず、伊良湖崎とも言わずに、肥後の熊本と呼びかけたのは、つまりこの尾張名古屋の城は名古屋の城であっても、現に自分が雲を踏むような心持で登臨しているこの天守閣は、肥後の熊本の加藤