Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんとうなの、友さん」

「ほんとうだよ、ほら、幽霊じゃねえや、足があるだろう」

そこで、米友は、また二三度飛び上って、足のあることの証明をして見せました。

娘は笑いませんでした。笑わないけど、恐怖は早くもその面から消え失せて、

「ほんとうなの?」

「嘘じゃねえというに。お前は疑ぐり深え人だなあ」

「ほんとうにお前が米友さんなら、わたし、こんな嬉しいことはないわ」

「おいらだって、おんなじことだよ、お前がほんとうによっちゃんなら、その次に嬉しくってたまらねえんだ」

と米友が言いました。心あわてているとはいえ、米友の言うことにはかなり不透明なところと、ひとり合点もあるらしいが、娘を相当に納得せしめ得たことは疑いないらしい。

「まあ、嬉しい」

「おいらも、嬉しい」

「友さん、まあ、よく無事でいてくれたわねえ」

「あ――おいらも苦労したよ」

「ほんとうに――」

二人は、そこで、人目も恥じずに抱き合ってしまいました。

知ると、知らざると、弥次であると、弥次でないとにかかわらず、この急激なる妥協が、すべてのあいた口をふさがらせないことにしました。

二十八

この人騒がせも、後になって接待の茶屋で、二人の無邪気な会話を聞いていれば、なんのことはないのです。