Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
あの坊主の、あんなに見え透いたお芝居で、この悲喜劇の幕が切れるものなら、切ってごらん。
あの木柱は、あれは何です。
あれをかついで来た、あの気ちがい山師坊主の怪力とやらが、そんなに有難いものですか。
牛や馬が無いじゃあるまいし。
それを、仔細らしく、あの木柱へ筆太に書き立てたあの文句は何です。
そうして、仔細らしい文句を、人を食ったような、まじめなような、物々しい気取りで書き納めて、それを押立ててその下で、伊太夫はじめ一族が参列の施餓鬼か、施行か知らないが、その物々しさと、あの坊主の悪ふざけ。藤原の家の財宝を、わがもの顔にふりまいて、あまねく一切に慈悲善根を衒う憎々しさ。
それを、委細かしこまり上げて、いちいち、渇仰尊信して、命これ従うばかばかしさ。あんな間抜けのお芝居で、この宿業とやらが救われ、この亡ぼされた魂とやらが浮べたらお気の毒。
滑稽の沙汰だ。まさに百分の嘲笑に価すべき振舞だ。
その滑稽と、嘲笑の的となって残されているのがあの木柱ではないか。卒塔婆とかなんとかいう人もある。自分の眼から見れば、慢心坊主という山師坊主が、わが藤原家を愚弄に来たその記念として残されているものだ。