Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
子供らは、よい遊び場所を得たと思っている。見かけは怖いおじさんが、存外以上に甘いおじさんだということを見出してきた。その芝生の上は相撲競技、凧あげに持って来いだし、座敷へ上り込むと、この子供たちとしては、武器や、掛額や、相応見るものがあり、碁盤、将棋盤の弄ぶ物もあることを見出してきました。
五人が六人――十人――二十人と殖えて、三ツ目錐の屋敷が、界隈の子供たちの倶楽部になってきたことをも、主膳は一向とがめる模様がありませんでした。
だが、ここに繰返すまでもなく、主膳のは、空也上人や、良寛坊が子供と遊ぶことを好むのとも違い、ペスタロッチやルソーが子供の教育にかかるといったような精神でもなく、お松や与八のように、子供そのものと共に学ぶというのでもないことは勿論です。
あらゆるものと遊び、あらゆる人間を涜し来って、倦怠と、自暴とのほかには、何物も贏ち得ていない荒み切った自分の興味を、今度は、子供たちをおもちゃにすることによって、補おうとする転換に過ぎますまい。
だから、時を期してここへ集まった子供らに、主膳は露ほども教養の制縛を与えないのです。与えないのみならず、あらゆる野卑と、悪戯と、不行作と、かけごと勝負と、だまし合いとを奨励して興がるかの如く見ゆる。