Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「いや、どうも……」
という返事。
「測量ですか」
「はい」
「拙者は、あなた方がさいぜん、海岸で測量しておいでになるところを遠方から見て、これは、てっきり果し合いだと勘違いを致しましたよ、いやはや、笑止千万」
と言いますと、先方は、さほど興にも乗らないで、
「左様でございましたか、それはどうも」
立っている田山に、まあお坐りなさいとも言わない。
白雲も、ちょっとバツが悪い思いをしている。といって、なにも先方が別段傲慢な態度でこちらを冷淡に扱っているというわけでもないし、また質朴そのものが、挨拶の表示を十分円満にさせないというわけでもないし……そう重い身分の者ではなかろうが、一人はたしかに士分の者、一人もまたそれに準ずるもので、人夫や人足の類でないことはわかっているのに、いかにも捌けないところがあるようだ。こちらは磊落に出ているのに、先方は妙に警戒性が見え過ぎると感じました。
はてな、自分では磊落のつもりでも、自分の風采というやつが、この珍客に鬼胎を持たせたのだな。そうだろう、無理もないことだ。ただでさえ、あんまりものやさしくは出来ていない風采骨柄のところへ、月代も久しく当らず、この数日、湯につからないのを、鹿島の浦の海風で曝しにかけたのだから、初対面の人の警戒性を、かなりに刺戟することは無理もあるまい。