Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

でも、その当人が、この宿に冬籠りをするうちの誰? ということは、笠がかくしていて判断の余地を与えません。

そのうちに、だらだら坂を上りつくして、右の水汲みは、疲れを休めるためにや、手桶を後生大事に下に置いて、ホッと一息ついている体です。

その時に、高欄の上から廂へかけて、カラカラと音を立てて、凍てついた土に落ちたものがあります。

お雪はハッとしました。自分の手に持っていた数珠が、スルスルと自分の手首から抜け落ちて、カラカラと廂を走り、力余って、凍てついた大地をまたも、カラカラと走って、桶を置いて休んでいた人の足許まで、走って行ったことであります。

お雪ちゃんはハッとしました。ふだん、数珠なんぞを携えているわけではないが、その時は、無意識に、自分の手文庫の中に文鎮同様にして置捨てにしてあった数珠を、何かのハズミで、手首にかけて、今持って出ていたのだということを、数珠が走り出したので、はじめて気がつきました。

お雪はハッとしたでしょうが、それよりも一層驚かされたのは、足許に物の落された水汲みの主で、落ちたその物を注視するよりは、高欄を見上げることの方が先でした。