Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「まあ、きょうは、ごゆっくりなさいまし」
「ゆっくりしていたいんだがね、なかなかせわしない身体で、こうしているうちも落着かねえような仕儀だから、おかまいなさんなよ」
「そんなにお忙がしいのですか」
「いや、百姓の方は、そんなでもないがね、人様から言伝を頼まれて、飛脚同様な役を背負わされるものだから、昨日は東、今日は西と、せわしい身体だよ」
「大抵じゃありません――」
「頼まれると、いやとも言えず、つい、うかうかと進み過ぎてしまって、ああ取返しがつかねえ……とこう思った時は後の祭りだ」
「ホ、ホ、ホ、何ですおじさん、人様から頼まれて、そんなに大仰に悔まないでもいいじゃありませんか」
「ハ、ハ、ハ、頼まれたことを悔むわけじゃねえが、ちっと進み過ぎて、もう今じゃ後戻りができず……お笑い草だねえ」
「いいえ、そんなことはありません。おじさんは、わたしを背負って山を下る時なんぞは、ずいぶんお足が早うございましたが、里へ出ると、あたりまえになってしまいますね、おじさんの足の早いことなぞは、青梅あたりにも知っている人は一人もないようですね、わたしだけが、それを知っているような気持がします」