Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「頭がいいのなら名誉にもなりますがね、手の長いのや、足の早いのは、あんまり自慢にはなりませんからね」

「ホ、ホ、ホ、手の長いのは自慢にはなりませんけれど、足の早いのは結構じゃありませんか、わたしなんぞも、こうして今では不自由なく、この地に根が生えたようなものですけれども、それでも、おじさんのように足が早ければ、行ってみたいと思うところがいくらもありますけれど、女の足では仕方がありません」

「その事、昨日、与八さんから、お松さんがしきりに、房州へ行きたがっているという話を聞きましたが――そこで、なんなら、わしが代ってその房州とやらまで行って上げてもいいと、そんなことを、ふと思いついたものだから、今日は久しぶりで訪ねて来てみる気になったのだよ」

「ああ、それはようございました、なるほど、おじさんならば……ほんとうに、房州までお使をお頼み申したいことでございます」

「おやすい御用だね」

「房州といえば、ずいぶん遠いところでしょうが、与八さんでは日数がかかるし、それに与八さんは、ここをはなせない人になっているし、あのムク犬は怜悧な犬ですから、ひとりでやれば行きますけれど、犬のことだから、用の足りないこともあるし、道中が心配になります、それで、どうしようかと、毎日考えていました。