Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
気もなく、それをのぞいて見ました。
物を書くことの好きな、歌をつくることの好きなお雪は、このお客様も筆と紙とを、旅枕にも放さぬ人であってみれば、また同好の風流を話せる人ではないか、というような好奇心もあったものでしょう。
のぞけば、おのずから、読めるようになっているのだから、それを読んでみると、前にいう通りの棒書きで、歌もなければ詩もない。わが胸の燃ゆる思いに比ぶれば、焼ヶ岳の煙が薄いとか厚いとかいうこともなし、信濃の国の白骨となん呼べるいでゆに遊びてしかじか、と書いてあるのでもない、いわば小遣帳の出来のいいような、徹底的に実用向きの書き方だから失望しました。
室に置きっぱなして行った、衣服旅装のたぐいといえども、それに準ずるもので、風流や、しゃれや、にやけという気分は微塵もなく、質実な武家出の旅の若者のかいがいしい武骨さがあるばかりであります。
それでもお雪には、なんとなく人懐かしい。ただでさえ人懐かしいと思うところに、新たに来た人といえば、それだけで一層懐かしい。ましてこれはここにいる客人のうちで最も若い人ではあり、その若い人が何の用向か知らないが、今時分、たった一人で、こんなところまで踏み込んだのは、よくよくのことでなければならないし、そのよくよくの場合に病みついたなんぞということは、お雪の感傷的