Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

もう、そんな話はおよし、鹿の子もそんな話は聞くのはイヤだといって、ああして親牛の腹へもぐりこんで寝てしまったあ」

茂太郎は、まだまだ、あきらめきれないものがあるけれど、相手が受けつけないのだからやむを得ない。

そこで鹿の子が、親ならぬ親を親として、その懐ろに安んじて眠り、牛の親が、子ならぬ子を子として、二心なく育てる微妙な光景を見ていると、この分では、狼の子が来ても、牛はそれを憎まずに愛し得るだろうと思われる。

平和なる動物、忍従の動物、沈勇の動物、犠牲の動物、労働の動物、博愛の動物、そこで古来神として祀られた動物。

ただいまの論争は忘れて、それをしげしげと見入った清澄の茂太郎、

「オットセイじゃ、ああはいかないんだぜ」

この子は、オットセイに対して、よくよく執着があるものと見える。そうでなければ、鯨で言い伏せられた腹癒に、先方の知識の薄弱なところをねらって、オットセイで論鋒を盛り返そうとするのかも知れない。

「ねえ、番兵さん、牛はあんなに他人(?)の子でも大切にして育てるけれど、オットセイの親はなかなかあんなことはしないんだぜ。オットセイの親は、なかなかああはいかないんだからな」