Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
も図々しければ図々しいように、こっちにも出ようがあろうというものだ。
「ナニ、あいにく、造船所には殿様も、本物もいないって……みんな揃ってどこへか出かけてしまったって、冗談じゃない、こういう時は、ペロが手柄を現わすじゃないか。ちぇッ、何だって今日に限って、留守なんぞになるんだ、ちぇッ」
海辺に立って騒ぐもののうち、気の利いたのは、気が利き過ぎて、かえって地団駄を踏むのもある。
だが、バッテイラは下りたには下りたようだが、こちらへ向って、漕ぎ寄せられるような様子もありません。
黒船は、相変らず悠然として浮んでいる――
兵部の娘と、茂太郎は、これを他事のようにして、黒船を右にしながら、散歩気取りで、海岸をずんずん南の方へ歩いて行きました――先日海竜が出たあの海岸の方へ。
二人だけは人心の動揺に頓着なく、黒船をよそに、海岸をふらふらと歩いて、とどまるということを知らないらしいから、放って置けば、また海へ没入してしまうでしょう。
それに、天気が申し分ない。鮮麗な秋の空、目立たぬほどの積雲が、海上二マイルばかりのところに茫漠としている。今日も終日、海上も無事だし、明日のこともまず心配はない。