Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「二十年――ずいぶん、長いことですなあ、どちらにお宿をお取りです」

「ははあ、あんた、いつこっちへおいでなすった」

「昨日参りました」

「そうでござんしょう、そうでなければ、とうにわしの事は聞いておいでのはずじゃ。わしはな、この上の無名沼のほとりの鐙小屋というのにいる神主でござんすよ」

「ははあ、そうでしたか、まだよく存じませんものですから」

「遊びにおいでなさい、ここからホンの一足ですから。一足とは言いながら、それは平常の日のことで、雪の積った時には、その一足が、常の人で二刻かかりますよ。おいでなさい、焚火をしてあたらせながら、山の話をして上げましょう」

この神主はそれから兵馬を相手に、自分も若い時分は、さんざんに諸国を廻って、あらゆる世間に接して来たという自慢話をはじめましたが、そのうちに、

「山という山はたいてい歩きましたね、日本国中の有名な山という山には、たいてい一度はお見舞を致しましたが、なんにしても山といっては、この信州に限ったものです。富士は一つ山ですから、上って下ってしまえば、それっきりですが、信濃から飛騨、越中、加賀へかけての山ときては、山の奥底がわかりませんからな。