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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

応接に苦しんでいるものらしい。

たとえば、鷲の子を放してやったことの連想から、尾張へ預けて来た熊の子のことになってみたり――川中島の夜景の思い出から、道庵先生のことになってみたりしてるうちに、この男が炉辺でうつらうつらと居眠りをはじめてしまったことによっても、この場の出来事には、あんまり邪気をさしはさまず、また、先刻、庭前で試みた懸命の型の遊戯が、かなりこの男を疲らせていると見えて、かなりいい心持で、炉辺の温い火にあおられながら、夜舟を漕ぐというのですから、まず極めて平和なる光景と言わなければなりません。

本来、居眠りをするということは、心のゆとりというよりも、油断と言った方がよろしい。

ことに日本の炉辺では、居眠りをすることは非常に危険なる油断の一つに数えられている。なぜとならば、ここで一歩、ではない、一頭をあやまると、目前は火炉なので、その上には湯が沸いている。よく昔の田舎の子供は、この炉辺でいい心持で居眠りをしていたために、一頭をあやまって、烈々たる炉中へころがり込むと、待っていたとばかり、上から鍋なり鉄瓶なりの熱湯がたぎり落つる。そこで肉身を烈火で焼いた上に、熱湯で仕上げるという念入りな結果になって、一命を亡ぼすか、そうでなければ一生を見るも無残な不具として棒に振らなければならない。