Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
まして、宇治山田の米友ほどの剛の者が、俄然として驚き醒めねばならぬほどの、非常なる産物ではありません。
そこで、また当然、米友が俄然として驚き醒めたということの裏には、走るべからざるものがあって、この軒下を走ったという第六感か七感か知らないが、それに働きかけられたために起ったのです。かくて俄然として驚きさめると共に、その眼は例の如く、その手は早くも杖槍の一端にかかって、戸外の軒の下の方に注ぎました。
戸外の軒といっても、それは、さきほど米友が自己陶酔を演じた松の大木の根の下の芝生の方向ではないのです。それとは全く反対の、胆吹山の山腹に向っての方の裏手の一方でありました。
ついに、米友が炉辺を立ち上りました。無論、ただ俄然として驚き醒めただけでは安心が成り難いから、それで卒然として立ち上ったものですから、その手に例の唯一の得物を放すことではありません。
流しもとの引窓のところまで行って、米友は、そっと窓を引いて外を見ました。引窓を引くといっても、これは南方十字兵衛があやつったような通常屋根の上に取りつけて、下から縄で引いて息抜きをするところの引窓ではなく、壁の一部を打ちぬいて、それに小割板を二重に取りつけ、べっかっこうの形にして、引けば開く、押せば閉づるだけの単純な仕組み、大工さんのテクニックで言えば無双窓