Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
ぬことはないでしょう。ことにまた植物の葉というものは、空気に先だちて暖まり、空気に先だちて冷ゆるものであるから、葉温は空気の温度に支配せらるるというよりも、むしろ葉温が気温を支配するというのが至当であるという見地から、植物の葉の温度は、日中には著しく気温よりも高く、晴夜には著しく気温よりも低いということの実験を重ねるために、わざわざ深夜を選んだということの理由も成り立たないではないが、地方から最近転任のお巡りさんが、挙動不審犯を交番へ連れ込んだ時のように、この先生の行動の出処進退を調べ出しては際限がない。第一、この胆吹山へ突入までの石田村の田圃の中で、衣裳葛籠を這い出して、田螺に驚いて蓋をさせたあの場を、どうして、どういうふうに遁れ出して、この胆吹山まで転向突入するまでに立至ったのか、その証拠固めをして、辻褄を合わせるだけでも、容易な捜索では追っつかないが、それは酔いのさめる時を待って徐ろに訊問をつづけても遅くはあるまいが、要するに、道庵は道庵として職に忠実にして、学に熱心なるのあまり出でた、全く無理のない行動をとって、ここに縦の蒲団を横にして、上平館の松の丸の炉辺に寝込むまでの事情に立至ったことを、信じて置いていただけばよろしいのです。