Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

と、その辺の然るべき路傍に立ちよってみると、

「はい、まだ夜明けには間もございますから、ではひとつ、この辺で一休みさせていただいて、ゆっくりあれへ参ることに致しましょう。お前、そこに大きな石がある、それをこちらへお据え申しな」

と母から言いつけられると、沈勇な面影を備えた少年は、自分の身体に余るほどの大きさの路傍の巌石を、易々と転がし出して来て、黒い人のために席を設けました。

そうして、母子は程よいところの木の根方へ腰を下ろして、提灯は傍えの木の枝へ程よく吊り下げ、そうして心安げに話をするくつろぎになりました。

「この子は虎之助と申しまして、柄は大きくござりますが、これで当年十三歳なのでございます、今日まで故郷の尾張の中村で育てましたが、いつまでも草深いところに遊ばして置くのもどうかと思いまして、思い切ってこちらへ連れて参りまして、藤吉郎のところへ預けて、ものにしようと思いまして」

「お父さんはどうしました」

「この子の父と申しますのが、あなた、弾正右衛門兵衛と申しまして、つまり、わたくしの連合いなのでございますが、三十八歳の時に、これが三歳の年に歿してしまいました」