Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「うるせえな、親方――」

と、お角の方を庄公が向き直って、

「親方、お聞きなさる通り、へんてこな奴がやって来ました、あの法界坊の出来損ねえみたいな奴が、一杯お酒を御馳走になって、五十貰えば名所案内をしてくれるって言いますが、追払っちまいましょうか」

お角がそれを聞いて、

「まあ、いいから呼んでおやりよ、わたしはあんまり故事来歴なんぞ知らないから、聞かしてもらえば学問になるよ、こっちへ呼んでおあげ」

と言いましたから、庄公はまた今法界坊の方へ向き直って、

「おい、法界坊さん、じゃあ案内をおたのみ申すことになるんだそうだから、こっちへお入り」

「これは、忝けのう存ずるにて候」

と言って、のこのこと今法界坊は舟の中へ入って来て、一隅にちょこなんと座を構えました。

そうしているうちに、舟はようやく纜を解いて乗り出す。天気も好いし、景気もいいものですから、お角さんもいい気になって今法界坊を手許に差招き、

「和尚さん、さあ、一つあがり。わたしゃ、こちらの方へは今日はじめてで、いっこう何も知りませんから、一杯やりながらいろいろこの土地の世間話をして下さいな。名所案内ばかりじゃありません、何でもいいから、この土地にありきたりの話をして聞かせて下さいな。