Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

さあ、遠慮なくおやり。舞子さん、あの和尚さんにお酌をしてあげてちょうだい」

と言って、今法界坊にお角はまず酒と肴を振舞うと、法界坊、いたく恐悦して盃を押戴き、一口しめして、肴をつまみ、

「ああら珍しや酒は伊丹の上酒、肴は鮒のあま煮、こなたなるはぎぎの味噌汁、こなたなるは瀬田のしじみ汁、まった、これなるは源五郎鮒のこつきなます、あれなるはひがいもろこの素焼の二杯酢、これなるは小香魚のせごし、香魚の飴だき、いさざの豆煮と見たはひがめか、かく取揃えし山海の珍味、百味の飲食、これをたらふく鼻の下、くうでんの建立に納め奉れば、やがて渋いところで政所のお茶を一服いただき、お茶うけには甘いところで磨針峠のあん餅、多賀の糸切餅、草津の姥ヶ餅、これらをばお茶うけとしてよばれ候上は右と左の分け使い、もし食べ過ぎて腹痛みなど仕らば、鳥井本の神教丸……」

くだらないことをのべつに喋り立てながら、酒を飲み、肴を数えたてる。お角さんもそれを興あることに思い、それから、

「さあ、舞子さんたち、陽気に一つ踊って下さい」

芸子、舞子が、やがて三味線、太鼓にとりかかると、今法界坊が、

「さらば愚僧が一差舞うてごらんに供えようずるにて候」