Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
御遺文集のどこから、そんな文句を引っぱり出したのか知れないが、ここで道庵先生が、日蓮上人を引合いに出して来まして、
「だがな、人生かしばっかりして来ているというわけじゃねえんだ、ずいぶん人殺しもやってらあな――およそこの道庵の手にかかって、今日までに命を取られた奴が……」
ここで道庵十八番の啖呵を切り出しました。知っている者はまたかと思うでしょうが、それを知らないお雪ちゃんは、初耳のつもりで、ついついそのたんかを聞かされてしまわなければなりません。
「およそこの道庵の手にかかっては、まず助かりっこは無え、今日までに、ざっと積っても、道庵の手にかかって命を落した奴が二千人は動かねえところだ、当時、この物騒な時代に、人を斬ることにかけては武蔵の国に近藤勇、薩州に中村半次郎、肥後の熊本に川上彦斎、土佐の高知に岡田以蔵――ここらあたりは名だたる腕っこきだが、道庵に向っちゃあ甘いものさ――およそ、道庵の匙にかかって助かる奴は一人も無え、たまに助かる奴なんざあ、まぐれ当りなんだよ」
「ホ、ホ、ホ、ホ」
お雪ちゃんだけは興を催して、道庵先生のために笑ってやりました。