Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「何だ、どこに……」

「いやもう、悪い合点でございますな、神尾の殿様、つい目の前に、生きたシルクが、つまりお絹様が……」

「なあに、絹が、お絹の奴が……なるほど、絹は絹に違いない」

「ところがこっちの絹が、当時、本物のシルクより洋人の間に大持てなんでげしてな、マダム・シルクでホテルの中が、日も夜も明けない始末でげす……」

「馬鹿!」

神尾主膳は場所柄をもわきまえず、金助あらためびた公をなぐりつけようとして、危なく手元を食いとめました。その時に、左の方からお絹が口を出して、

「殿様、お食事が済みましたらば、マネージャのタウンさんに御紹介を致しますから、お会いくださいませね。それから、望楼に参って遠眼鏡をごらんくださいましね。亜米利加の先まで見透しというのは嘘でございますけれど、上総房州あたりまでは、ほんとに蟻の這うまで見えようというものでございます――それから、今晩はぜひ一晩、ここにお泊りなすっていらっしゃい」

「いやだ」

「そんなことをおっしゃらずに、何も見学の一つじゃございませんか、西洋のホテルの泊り心地はまた格別なものでございますよ」

「お前は、その経験があるのか」