Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
そうして、決定した伊太夫は、それでもこの我儘娘の将来のためにとて、財産のうちを分割して、あれの物として頒ち置いて、その保管を番頭に托し、必要ある毎には、大体に於てあれの申し出通り送ってやれ、ことに旅などへ出ては、入費に糸目をつけないでよろしい、といったような暗示も常々与えてあるのですから、今まで、主人にはいちいち通告せずに、老番頭一人で取計らって、請求がありさえすれば、少しも猶予せずその請求額だけを、どしどし払い渡してやっていたのですが、今やここで、その全部をよこせ――と提言をして来たのですから、無論、老番頭一存では計らいきれず、それを聞かされた伊太夫さえも、一時うなってしまって、ついに何とも判断の下せない形になったのも無理がありますまい。
伊太夫の身上は、これをかりに見つもっても、何千何万になるかは容易に計上し難いのであります。容易というよりは、全く金銭に換算しては計上し難いと見るのが至当でしょう。そのうちから、お銀様とても、株券をいくら、債券をいくらと分譲されたわけではないのですから、現金のほかは、山林であり、田畑であり、或いは家屋敷倉庫の一部分、衣類や書画骨董といったようなものなのですから、それを残らず金に見積ることは、やっぱり不可能と言ってよいのですが、いちばん可能性のある金銀だけに就いて言っ