Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふーん、甘えものさ。だがまた、こいつは格別だよ、素人じゃあねえが、くろうとでもなし、飛騨の高山の田舎娘上りとは言い条、どうして、味はこってりと本場物に出来てやがらあ、口前のうめえところは女郎はだしなんだが、あれで、気前と心意気にはうぶなところがまる残りなんだから掘出し物さ、いわば、生娘と、お部屋様と、お女郎と、間男とを、ひっくるめたような相手なんだから、近ごろ気の悪くなる代物だあ。なあに、がんりきほどの者が、たった三百両が残り惜しくって、飛騨の高山まで逆戻りの危ねえ綱を渡るでもねえ、三百両が欲しけりゃ、どこかもう少し安全な方面へ当りをつけたって、つかねえ限りもあるめえものだが、あいつにあの手文庫のままのやつを持って来て見せてやりてえ――まあ、お前さん、本当に持って来て下すったねえ、何という凄い腕でしょう、わたしゃ、お前さんのその片腕にほんとうに惚れちまったよ――なあんて、あいつを心から参らせてみるのも悪い気がしねえテ」

百の野郎は、いや味たらしい思出し笑いをした上に、

「さてまた、福松の阿魔だがなア、あいつがまた、こちとらの面を見せるとただは帰すめえがの――色男てやつは、どっちへ廻っても楽はできねえ」