Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
ですから、あとになり、先になり、おたがいにこうして、よれつもつれつして行くのが乙じゃなくって、考えてみるとおたがいは、前世でいい仲を裂かれた許婚同士かなにかの生れかわりじゃないか知ら。ですから、あなたがおいやでも、わたしが好きの嫌いのなんのという心持でないにしても、二人は、行くところまで行かなけりゃ納まらないように出来ているのかも知れませんのねえ、行きましょうよ。お蘭さんとがんりきの奴は、いい気で美濃路へ出てしまいましたし、お雪ちゃんという方は、お化けのようなお坊さんと、これも表の方へ出て行ったというじゃありませんか。あんな人たちへの意地としてもわたしたちは、同じ道をとりますまい――白山へ行きましょうよ、加賀の白山へ――白山はいいところですってね、あなたも、いい御縁ですから、ぜひ一度、参詣していらっしゃい。ですけれども、今度は途中で振捨てて、あの仏頂寺なんて仏頂面のさむらいにさらわせてしまってはいやよ――ねえ、あなた行きましょうよ、北国筋へ。旅は嬉しいものじゃなくって?」
女は引きつづき兵馬の膝をグリグリと突きました。
九
それから、三日市から二本木の間の小鳥峠というところの振分けで、ホッと一息ついた二人の旅人を見たのは青天白日の真昼時のことでありました。