Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
そのお銀様も白の行衣を着て、白の手甲脚絆、面だけはすっかり白衣で捲いて、その上に菅笠、手には金剛杖――そうしてお雪ちゃんの枕許に立って呼びかけたその姿だけを以て見れば、決して、これがお銀様だとさとれるわけではないのですが、その声でお雪ちゃんはさとって、起き直っていずまいを直さなければならない思いがしました。
九
「さあ、お雪さん、お山へ登りましょう」
「まあ、この夜中に……」
と、お雪ちゃんが呆れました。
けれども、それを許すお嬢様ではない。
否やを言わせる余地のない圧迫を感じてみると、起きてこの人と同じ扮装をして、待機の姿勢をとらなければならないことを余儀なくせられました。
「ホ、ホ、ホ、夜中なればこそです、胆吹夜登りといって、胆吹の山には夜登ることになっているのです」
「ですけれども……」
「あなたは怖がっていらっしゃる。なに、怖いことがあるものですか、見た目では恐ろしい山のように見えますけれども、登って行く間の美しさでは、日本国中、こんな美しい山はないとさえ言われているのではありませんか」
「そんなに美しい山でございますか」
「美しい山ですとも。