Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「あ、月が上って来ましたね、もう提灯は要りません」

お銀様がこう言って、フッと蝋燭を吹き消した途端に、さきに湖面山岸いっぱいに充ち満ちていた蛍のような光が、競ってこの岩窟のすべての中に流れ込みました。

そうすると、対岸の牢屋の中が、はっきりと見得られるようになりました。その中に心憎くも澄ましきって、座を構えてしきりに短笛を弄している白衣の人の姿、それが、また極めてハッキリと浮び出て来ました。

それは白骨温泉以来の鈴慕の主です。

十一

その時に竜之助は、短笛を持ったまま、気軽にずっとこちらへ出て来ました。

ずんずんこちらへ歩いて来て、お雪ちゃんと当面の巌の直ぐ突角のところまで来ると、そこにずっと結びめぐらしてあった丸太の手すりに無雑作に腰をかけてしまったものですから、お雪ちゃんが、

「お危のうございますよ」

と言いましたが、竜之助は微笑しただけです。お雪ちゃんはそれから立て続けに、

「先生、まあ、あなたは、どうしてこんなところに……」

と言ってせき込みましたが、竜之助は、

「お雪ちゃん、お前どうしていたの」

「先生、あなたこそ、どうしてそんなところにいらっしゃるのです、お一人ですか、こちらへいらっしゃい」