Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
。男の子であったか、女の子であったか、そのことは存じませんが、だいそれた自分の手で、虫も殺さない処女ぶった娘さんが、嬰児殺しをやりました。それは、人を殺すことは茶飯を食べるように心得ている人のお仕込みだから、子供を一人、闇から闇に送るなんぞは、言うに足りない仕事でしょうが、それでも親は親、子は子です、どこぞにいる人殺しの名人でも、まだ我が子を手にかけて殺したということは承りません」
「まあ、お嬢様、あなたのお言葉は怖ろしい毒を持っておいでなさいます――ほんとうに驚くべき邪推でございます、いつ、わたしが、そんなことを……」
「お雪さん、いつまたわたしが、あなたがそんな悪いことをしたと申しました、今でも白骨へ行ってごらんなさい、あそこで死んだ浅吉さんという男妾の人の石の墓じるしがございましょう、その傍に、心ばかりの小さな石塔が据えてあります、いったい、あれは誰のですか」
「あんまりだ、あんまりだ」
お雪ちゃんは、ついに面を蔽うて泣き伏してしまいました。
「は、は、は」
その時また、冷淡極まる笑いが竜之助の面に浮びました。
十二
同時に、湖面の一点に、ざんぶと音がして、そのあたり一面に水煙が立ったかと見ると、漣々として、そこに波紋が、韓紅になってゆく異様の現象が起りました。