Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「うーむ、食うために……」
「うーむ、うーむ」
ここで、ついに二人の舌が硬ばって、呂律が廻らなくなり、丸山勇仙はもう受け渡しどころではなく、そこらをのたうち廻って苦しみ出したが、仏頂寺の気はなお確かで、存分に腹をえぐって上へハネ、やがて刀を返して咽喉へ持って行って、一気に咽喉笛を掻切ってしまったから、万事はおしまいです。
ほとんど同時に、丸山勇仙も動かなくなりました。
十七
それを遠く、物蔭にうかがっていた女が言いました、
「ごらんなさい、いい気じゃありませんか、男同士ふたり水入らずで、峠の上で飲めよ唄えと、さんざん騒いだ揚句、とうとういい心持で寝込んでしまいましたよ」
兵馬もまた、そうだと信じている。このかなり隔たった距離の点からうかがっていると、二人の挙動は、万事いい気持ずくめとしか見えなかったものです。
紅葉を焚いて、酒と松茸をあたためて食べながら、出まかせの太平楽を並べて、それが相当に並べつくされた後、ところを嫌わず、いい心持で寝そべってしまったのだと見るよりほかには見ようがなかったのです。何故に生きねばならないかの疑問と、これより先へは一寸も歩けない倦怠が二人を悩まして、その間に受け渡された、憂鬱きわまる問答の声は、決してここまで届かなかったものですから、兵馬も、