Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
銀様から、用心棒としての米友が託されて、長浜まで両替に行って来たこの金銭――それを今、保管と収支とを託されているお雪ちゃんが、手にかけて、米友に手伝ってもらって計算に当ろうというのだから、形式に於ても、良心に於ても、少しも咎むべき筋ではないのであります。
ですから、いったん脅迫観念に襲われたお雪ちゃんも、たちまち思い直して近く寄って来て、散乱したのを掻き集めながら、改めて米友と共に、この小銭の山の取崩しから計算記帳にとりかかりましたのです。
この小銭を、種類によって、ザクリザクリとわけて数えながら言いました、
「有るところにはあるもんだなあ、金というやつは――」
「ほんとに、そうですね、有るところには有るものです、あのお嬢様のお家には、いったいどのくらいあるんでしょうかしら」
とお雪ちゃんが相槌を打つと、米友公が、
「有るところにはあるが、ねえとなるとまるっきりねえのが金だ」
「全くその通りよ、お金持のところには唸るほどあっても、貧乏人のところには薬にしたくもないのですから」
「有るところには有り過ぎるほどあって、ねえところには無さ過ぎるほどねえ、そのくせ、誰もみんなこいつを欲しがっていることは同じなんだが、どうしてまた、こいつが集まるところへはうんと集まり、来ねえところへはちっとも来やがらねえんだろう。