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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

ケチな野郎だな、この銭金という野郎は……」

米友は数えかけた天保銭を二三枚取って、畳の上に叩きつけました。

二十一

宇治山田の米友は、特に銭金に数々の恨みがあるというわけではないが、また生立ちからしても、そう多分に銭金に恵まれつつ育って来た男ではないこと申すまでもありません。

だから、特に銭というものを呪い憎んだり、またその銭の集積によって勢力を得つつある資本家というものに、特別の戦闘意識は持っていなかったのですが、時々思わず昔のことを思い出して、銭の記憶というものに、あんまりいい気持のすることばかり無かったことが、むらむらと頭へ上って来たものですから、そこで無意識に銭を畳の上へたたきつけてみただけのものなのでありました。

この時、宇治山田の米友が、ことに銭金について、あんまりいい印象ばかりを思い起さなかったという頭の中を解剖してみると、ほぼ次の如くでありましょうか。今、こうして夥しい銭勘定をさせられてみたところで、急に赤い方へ転向の謀叛気をそそのかされたと見る理由もなく、また事実上、この男は、性質は単純であるけれども、意志は鞏固ですから、そう軽々しく右になったり左になったりする男ではないのです。