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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

ところで、たった今、急に銭を浚ってやけに投げ出してみたのは、一時むくれてみた持前の癇癪に過ぎません。

宇治山田の米友は、伊勢の国に在る時に、神宮の前の宇治橋の下で網受けをして生業を立てていたことは、先刻御承知のことであります。彼はなお御承知の通りに、槍の妙術から来るところの芸術的天才を持っていましたから、ほかの子供よりも、その収入が多かったことは当然でありました。

しかしながら、この商売というものも、ゲッキュウ、ゲッキュウと靴を鳴らして、ならしにみいりのある商売でありませんでしたから、雨が降ったり、雪が積ったりすることに妨げられる商売でありました。日によって、参詣客の投げ銭のはずむ日もあれば、はずまない時もあるのであります。そこで米友といえどもあぶれて帰ることもないではありませんでした。

米友があぶれるくらいの時は、他の網受けの子供は全くみじめなものでした。彼等は、その日その日に相当のものを持って帰って親方に提供しないことの代りには、或いは折檻となり、或いは締出しとなり、或いは欠食となって反応することを米友が知っていました。そういう場合には、米友は、自分の持っていた収入をほとんど残らず分けてやって、そうして彼等の受くべき折檻と、締出しと、欠食とを、自分が代って満喫せしめられたことも、子供の時分に一度や