Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

蔵屋敷の衆がまず見つけたからいいようなものの、あの稼ぎ屋連に最初見つかった日にゃ、今おっしゃる女の体面のみじめさが思いやられますでな、つくづく太夫元のお言葉が思い当りました。男も勿論そうですが、女子というものは、心中の一つもしてみようという女子は、その何をさし置いても帯を大切にすることですね。あとで聞きますと、あの時の女子さんも、その辺には充分のたしなみがありまして、もし、そんなふうに死骸に加えられる狼藉がありましても、立派に保護の用意が出来ていたと聞きましたから、ひとごとでないように安心を致して見ました。いや、思い出しますよ、あの時の男女は惜しい花ざかりでした。聞いてみると、思い詰った事情も、色恋ばかりではないのだそうで、男は京都の者、女は伊勢の亀山――いいなずけ同士の親類仲とかいうことでございました」

取巻が、別に心中物語をはじめたので、お角さんが楔を入れて、

「死にたいものを死ぬなとは言わないが、死ぬんなら死恥をさらさないようにして死なせたい、およそ、心中の死にぞこないぐらい、みじめなものはありませんからね」

「ところが、その時の心中が、あとで聞きますと、その死にぞこないなんだそうでございましてね、変なことになりました」