Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
「考えてどうなるのだ」
「どうかしなけりゃなるまい」
「どうしようがあるのだ、要するに徳川をこんなに弱くしたのも、君のような――君一人に背負わせるのも気の毒の至り、おたがいのような享楽主義者が続々と出たその結果と見なけりゃなるまい」
「それを言われると、おれも真剣に考えたくなる――人物がないなあ」
「人物がないよ――今の徳川には人物がないのに、西南のやつらにはウンとある、足軽小者の方面にまで、切れる奴がウンといる」
「旗本八万騎あって、人物が一人もないのかなあ」
「ないことはない、有る――必ず、隠れたるところには人物がある。あるには相違ないが、出頭の機会がない」
「今のところ誰々だ、旗本で目ざされている人らしい人は。人物らしい臭いのする奴は。少なくとも落日の徳川家を背負って立とうと、人も許し、自らも許すような奴が、一人や二人はありそうなものだなあ」
神尾は投げ出したように、自暴的に言うけれども、今日のは自暴の裏に、強烈な意地のようなものがひらめくを感ずる。
こういう問いをかけられて、押しかけて来た二人の悪食家も、おのずから切迫の真剣味につりこまれて、
「そうさなあ――今の旗本で、同じ徳川でも譜代大名は別物として、直参のうちで、人らしい人、人も許し、我も許そうというほどのものは――この時勢を重くとも軽くとも背負って立とう