Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
というほどの人物は――まあ、小栗又一か勝麟太郎、この二人あたりがそれだろうなあ」
「ナニ、小栗又一と、勝麟太郎、二人とも、それほどの人物か――」
「まあ、世間の評判はもっぱらそこにあるな。ところでこの二人がまた背中合せだから、やりきれないよ」
「どう背中合せだ」
「小栗は勝を好まず、勝は小栗に服しない、小栗は保守で、勝は進取――性格と主義がまるっきり違っている」
「そいつは困る、せっかく、なけなしの人材が二人ともに背中合せでは、さし引きマイナスになってしまう」
「悪い時には悪いもので、困ったものさ」
「で、小栗と、勝と、どっちが上だ、器量の恵まれた方に勢力を統制させずば、大事は托し難かろう」
「さあ、器量という点になってみると、我等には何とも言えない――おのおの、一長一短があってな」
「小栗はだいたい心得ているよ、あれは家柄がいい、ああいう家に生れた奴に、性質の悪い奴はないが、勝というのはいったい何だい、よく勝麟勝麟の名を聞くが、そんな名前は我々には何とも響かん――どんな家に生れた、どんな男なのだい」
「そりゃ、家柄で言えば小栗とは比較にならん、小栗は東照権現以来の名家だが、勝などは四十俵の小身、我々仲間に於ても存在さえ認められなかったのだが――近頃めきめきと頭角を上げて来た、事実、稀代の才物ではあるらしい」