Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

今いう通り、寺院に猫――寺院というものは葷肉を断つことを原則としているのだから、寺院の庫裡に養われる猫は営養が不良でなければなるまい。何を食って生きている。斎藤はこの偶然を奇なり奇なりと感じたらしく、

「貴様、猫か、猫ではあるまい、化け物だろう」

と言って、猿臂をのばしてその猫をかいつかんで、己れが膝の上に掻きのせたままで、

「近藤に虎徹は、猫に鰹節のようなものだ」

あんまり適切でもない苦しい譬喩を口走っている時に、竜之助が、

「拙者も、刀が欲しい。拙者はあまり作に頓着しない方なんだが、やっぱりいい刀は持ちたいよ。それ以来、旅から旅で、腰のものにさえ定まる縁がないのだ。一本、何か周旋してくれないか、古刀には望みがない、新刀のめざましいところを一本、世話をしてくれないか」

と、人の勧誘はそっちのけにしてしまって、自分勝手の註文を持ち出したが、斎藤も好きな道と見えて、

「よろしい、何か一つ探してみよう。清麿はどうだな、山浦の清麿――つまり四ツ谷正宗」

と、猫のうしなっこぞを持って宙につるしながら、こう言い出したところへ、遥かに次の間から、猫よりもっと不思議な生物が一つ現われました。