Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
五十
「時にあなた様のお宿許は、どちら様でございましたかねえ」
轟の源松がまたしても、思い出したように、同じことを竜之助に向って問いかけましたから、竜之助がうるさいと思いました。
「まだそんなことを言っているのか、それは、こっちが聞きたいところだ、島原を振られて、京都の町の中を一晩中うろついたが、ついに拙者の泊る宿所がない、ようやくのこと月心院へたどりついて見ると、そこは、夜もすがら、あはは、おほほで眠れはしなかった、仕方がないから、日岡を越して、山科まで来てしまったのだよ」
「して、その山科は、ドチラかお心安いところがございまして」
「いや、山科へ来たからといって、別に心安いところもないがな、関の大谷風呂へ少し厄介になったことがあるから、もう一晩、あそこへ泊めてもらおうかと、それを心恃みにして来たまでだ」
「大谷風呂でござんすか、それは幸い、わっしも少しあの辺に用向がございますから、御一緒にお供が願いたいもので」
「それは迷惑だな」
「いえ、なに、旅は道連れということもございますからな」
轟の源松は、人を食いそこねたようなことを言って、テレ隠しをしました。