Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
ん。
ただ、変っているのは、白山白水谷をわけ入って、加賀の白山に登ろうということが、目標でもあり、一種の信仰でもあるようでした。それがすっかり目標から外れて、仏頂寺弥助の亡霊がさまよう越中の山境へも出でず、白山を経ての菜畑であった加賀の金沢とも、およそ方面を異にして、越前へめぐり込んでしまったということを、穴馬谷に落着いて、山民から聞いて初めてそれと知ったという有様なのでありました。
とはいえ、極楽へ行こうとして菜畑へ落ちたわけでもなく、北斗をたずねんとして南魚に進んだというのでもなく、ちょっと針路が左へ片よったという程度で、飛騨から隣りの越中へ出たまでのことですから、前後を顛倒したというわけでもなく、進退に窮したというのではない。目的があってないような道行には、それも苦にならないで、二人は、これからまた落ち行く目標の相談をはじめました。
「ねえ、宇津木さん、ここは越前分ですとさ、越前の国、穴馬谷という村ですとさ、ほんとに穴のような土地じゃありませんか、どちらを見ても高い山ばっかり、穴馬谷へおっこちなんて、仏頂寺がいたらヒヤかされちまいますわねえ」