Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

女はいよいよ自暴気分に煙草を吹かしながら、

「身の上話なんて野暮なくりごとをやめましょう、未来のことを話しましょうね。それにしてもあたし、福松て名はドコへ行っても変えないことよ、それは、あなたにわかり易いために、何家の福松っておたずねになれば、すぐにドコのドの小路にいるということが、すぐにわかるように、福松って名はいつまでも変えないわ。屋号は前の株で何となるかわからないけれど、新しく自前になれたら、何とつけましょうねえ、そうそう、『宇津の家』とつけましょう、それがいいわ、宇津と御本名をそのままいただいては恐れが多いから、かなでねえ、かなで『うつの家の福松』といいでしょう、こんど福井へおいでになったら、何を置いても、『うつの家の福松』をたずねておいでなさい。こんどというこんどがいつになるでしょう、一月ぐらい待ちましょう、金沢へなり、京都へなり、おいでになったお帰りを待っています――うつの家の福松の御神燈を忘れちゃイヤよ。それからねえ、いつまでも看板を揚げて、御神燈の下ばかり明るくしても仕方がない、そのうちに足を洗いますよ、せいぜいここ一二年がところ稼いで、それからあなたのおっしゃる通り、このあわらの温泉へ温泉宿を経営いたします、そうして丸髷に結って、鉄漿をつけて、帳簿格子の前にちんとおさまって、女中男衆を腮