Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ、言ってみろ」

「拙のお出入りの旦那に三一小僧というのがござりやして、その旦那が近頃、和歌に凝り出したと思召せ」

「和歌――歌だな」

「いわゆる、みそひともじなんでげす。その旦那が次のような歌をお詠みになりまして、鐚、どんなもんだ、点をしてくれろとおっしゃる、内心ドキリと参りましたね、実のところ、鐚も十有五にして遊里にはまり、三十にして身代をつぶした功の者でげして、その間、声色、物まね、潮来、新内、何でもござれ、悪食にかけちゃあ相当なんでげすが、まだ、みそひともじは食べつけねえんでげすが、そこはそれ! 天性の厚化粧、別誂いの面の皮でげすから、さりげなくその短冊を拝見の、こう、首を少々横に捻りましてな、いささか平貞盛とおいでなすってからに、これはこの新古今述懐の――むにゃむにゃと申して、お見事、お見事、ことに第五の句のところが何とも言えません、と申し上げたところが、ことごとく旦那の御機嫌にかなって、錦水を一席おごっていただきやしたが、実のところ、鐚には歌もヌタもごっちゃでげして、何が何やらわからねえんでげす、後日に至りやして、三一旦那から再度の御吟味を仰せつかった時にテレてしまいますでな、どうか、その御解釈のところを篤と胸に畳んで置きてえんでございます。