Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
井伊掃部頭を見てもわかることだわな」
「それは、そうでしょう。では小栗様は小栗様、勝様は勝様として置いて、いったい、今の徳川様の天下をねらっている相手は誰なの」
「それは、薩摩と長州よ」
「そうなんでしょう、その薩摩と長州が、つまり徳川様の天下を倒そうとなさるんでしょう、それをそうはさせないと、小栗様や勝様が力んでいらっしゃるのですわね」
「勝と小栗に限ったことではないが、まず旗本では、あいつらが代表している」
「つまりは、薩摩や長州を相手に戦争ということになるわね。戦となると、兵隊さんがいります、その兵隊さんをたくさんに持った方が勝ち、兵隊さんをたくさんに持って、調練をみっちりとさせ、鉄砲や軍艦をふんだんに持った方が勝ち、それをしなければ、これからの戦争には勝てないんですってね。そこで、先立つものはやっぱりお金――そのお金が、上方にも、お江戸にも、今はないのですってね。お江戸では、権現様以来蓄えた莫大なお財も、もう使い果してしまったし、上方でも、どのお大名も内緒はみんな火の車。ですから、人には不足はないが、お金の戦争。そこへ行くと、異人さんが途方もないお金を持っている、そのお金を貸したがっている、そこで、つまりは異人さんを味方につけた方が勝つ、という理窟になるのじゃない?」