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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

この子供は素姓の優れた家柄に生れた子だ、将来どんなことになるか、現在ではわからないが、将来を思うと、畢竟、これを父親に似せてはならない、お祖父さんに似せなくてはならないということが、与八の頭へ熱鉄の如く打込まれるのであります。

郁太郎の父は竜之助であって、その祖父は弾正であることを、与八ほどよく知っている者はない。父の竜之助の優れた天分の人であることは、その善悪邪正にかかわらず、与八はよく認めている。それを誤ったものに教育があるということを、大先生すなわち弾正の口から、絶えず与八は聞いて知っている。大先生の教育がわるかったのではない、大先生が永らくの御病気で、竜之助様によき教育を施す隙がない間に、竜之助様の悪い方が伸びてしまったということを、与八は昔から観念している。

そこで彼は、この子を父にしてはならない、祖父にしなくてはならない、と感づくのは当然の認識であるが、与八としては、その父を怖れるよりは、一層、祖父なるものの偉大なるを信じている。そこに、与八の教育の根本方針が成り立っていました。

事実、与八の眼で見た弾正という人、すなわち郁太郎のためには祖父、竜之助のためには父なる人ほど、この世に於て偉大なりと信じている人は有りません。