Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「よくおっしゃって下さいました、お豊は憎い女じゃありませんね」

「憎いものですか、あなたのために死んで上げたのも嘘じゃないのです、一人は死に、一人は助かったのも当人の了見じゃありません、運命のいたずらというものです」

「そうかも知れません、人間の力ではどうにもならない――まして、あの気の弱いお豊さんの力などで、この運命の大きな力というものがどうなるものですか、お豊を憎むことは、やめましょう」

「それがよろしいです、あの人は憎める人ではありません、憎むとすれば、憎んでも憎み切れない人が、まだほかにいくらもあるはずです」

「誰を憎んだらいいでしょうね」

「まず運命のいたずらを憎みなさい」

「憎みます」

「その次には、大和の国の三輪の大明神のいたずらを憎みなさい」

「え」

「三輪の大明神の神杉が、お豊さんをあやまりました」

「滅相な、神様を恨むと罰が当ります」

「それでは机竜之助を憎んでおやりなさい」

「憎みます、憎んでも憎み足りないと思いますが、残念ながら、今のところは歯が立たないのです」

「植田丹後守を憎んでおやりなさい」

「憎みます」

「薬屋源太郎を憎んでおやりなさい」

「憎みます」