Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「そう来るだろうと思っていた、どうもつい遊び過ぎて申しわけがない」

竜之助が人を食った調子で、わびごとのような言葉で頭をかくと、不意にその足許から、

「わあっ」

と泣き伏した者があります。お銀様もちょっとこれには驚かされたが、すぐに冷静を取戻して、

「お雪さんだね、泣かなくてもいいでしょう」

「お嬢様、御免下さいませ、先生を連れ出したのは、わたくしでございます」

「そうさ、小娘と小袋は油断がならないと昔からきまっている、そんなこと、疾うから、こっちは感づいているのですよ」

「あんまり月がよかったものですから、鬱屈してらっしゃる先生に湖上の月をお見せ申して、慰めて上げたいと思ったばっかりに……」

「お雪さんらしくもない、そらぞらしい申しわけ、目の悪い人に月が見せられますか」

「申しわけがございません」

「でも、よく帰って来てくれましたね」

「面目次第もございません」

「面白かったでしょう、相合舟で、夜もすがら湖の月を二人占めにするなんて、王侯もこれを為し難い風流なんですね、わたしなんぞも一生に一度、そんな思いをしてみたい」

お銀様が針を含んで突っかかるのを、竜之助がとりなして、