Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
そこへ、お宮さんが熱いお酒を一本持って来ました。今日も出歩きの道中を少々物語ってから、お宮さんのお酌で一ぱいを傾けながら、不破の関守氏が、
「お宮さん、ここの風呂場の若衆は、ちょっと乙な男だね」
「三蔵はんどすか」
「三蔵というのかね、名前はまだ知らないが、なかなか如才なくて、第一腕が器用だ」
「三蔵はん、このごろおいでやはったが、取廻しがよろしいので、なかなか評判ようおます、腕が器用とおっしゃいますが、あんた、あの片一方でな、米搗きから、風呂焚き、流し、剃刀使いまで細やかになさりますから、みんな感心しておりますのや」
「ははあ、器用な男もあったもんだ、ありゃあれで、なかなか苦労人だよ」
「はい、それに、なかなか気前がようおまして……」
「だから、女に相当騒がれるだろう、あぶないものだぜ、お宮さん」
冗談半分に、女中を相手に関守氏が聞き得たところによると、右の手なしの番公は、最近ここへ雇われて来た男ではあるが、早くも女中たちの人気を取っているらしい。相当にこの道で苦労した肌合いが、女中連を騒がせていることをも知りました。
関守氏は、一応お宮さんをからかった末に、こう言いました、