Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「そうか」
存外に冷やかな響きでしたから、今度はお玉の方が満足しませんでした。
「おかわいそうに、このお手紙をお書きなすって、お金と一緒に私へお頼みなすったあとで自害をなさったのでございます。死んで行くわたしは定まる縁でありますが、生きて残るあなた様のお身の上が心配と記してあるそうでございます」
お玉の口には、頼んだ女の心が乗りうつるかと思われるほど熱が籠っていたが、
「ははあ」
竜之助の張合いのないこと、気の毒とか憐れとかいうような感情の動きは微塵も認められないのみか、聞きようによっては、頼みもせぬに死んでくれたというようにも響きましたので、お玉の胸にはむらむらと不満がこみ上げて来ました。
「あの、このお方は、あなた様の御親類筋のお方でございますか、それとも御兄妹でいらっしゃいますか」
「親類でもないし、兄妹でもない、赤の他人じゃ」
「赤の他人でさえ、こんなにまでなさるのに……」
お玉は、冷やかな竜之助の態度を見て、反抗的に単純な感情がたかぶって来るのでありました。
「わたしが悪うございました、わたしが悪いのでございます」
「お前が悪いことはあるまい」
竜之助は冷々たるもの。