Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

お松が気を揉み出した時に、

「おいおい、みんな来て見ろ、町で何か騒動が始まったぜ」

船中の者共は我れ先にと船縁へ出て、そうして町の方を見物しながら、

「何だ何だ、火事か盗賊か」

「心配だから、わたし陸へ上って様子を見て来ます」

お松はたまり兼ねて、船頭の助蔵に向ってこう言いますと船頭が、

「お前さん一人はやれない、行くなら誰かつけてやるが、まあもう少し待ってみなさるがよかろう」

「どうしても行ってみます、あんなに騒がしいのは只事ではないから」

「そんなら誰か伝馬を押せやい、勝、お松さんを陸まで連れてって上げろ」

「よし来た」

水手の勝が威勢よく返事をしました。お松は伝馬に乗って岸へ行くために通い口から出直して、伝馬に乗るべく元船を下りて行きました。その後で船頭、親仁、水手、舵手らが、

「なるほど、宇治山田の町ではこのごろ火の用心が厳しいということだ、山へ逃げ込んだ悪者が火をつけに来るといって、廻状で用心していたっけ、ことによるとその火つけの悪者でも追い込んだかな」

「そうかも知れねえ」

「待て待て、汐合の水門から伝馬が一艘、無提灯でこっちへ来るようだぞ」

「お松さんの舟じゃあるめえな。