Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
道庵先生はプンプン憤っています。
「そりゃあね、先生、なるほど先生は薬礼を十八文ときめてお置きなさる、それは結構なことでございます、そりゃあまあ、それでようございます、ようございますけれども、なにも旅へ出てでございますな、そこでやたらに十八文十八文とおっしゃって、拙に冷汗をおかかせなさるには当るまいじゃあございませんか。それもまあようござんす、拙がひとり胸に納めていりゃあ、それで世間の人は何も知りませんや、そう思って無念を怺えて忍んでおりますといい気になって、提灯へまで十八文と書いて、それを昼日中、持って歩けというのは、なんぼなんでもあまり情けねえじゃあござんせんか。いくら旅の恥は掻捨てだと申しましても、それじゃあどうも泣きたくなりますなあ」
「馬鹿野郎、ドコまで馬鹿だか、貴様の馬鹿さの底が知れねえ……」
「こっちも底が知れねえ……」
「なんだと」
「いいえ、なんでもございません。ねえ先生、こうして旅へ出て来れば、先生様は御番料を千俵もいただく御典医で、拙は蔵前の旦那衆というような面をしたって誰も咎める者はござんせん、ワザワザ十八文と書いて、暗闇の恥を明るみへ出さずとも……」